ホーム > 事業内容 > 航空保安無線施設の保守業務

事業内容

航空保安無線施設の保守業務

当社は、平成21年4月1日から国土交通省航空局(以下「国」という。)との直接契約により、近畿・四国・中国エリアの主な13空港のレーダー等航空無線施設の保守業務(以下「本業務」という。)を行っています。
本業務に従事する技術者は、電波法に定められた無線従事者資格の第二級陸上無線技術士以上の資格を持ち、さらに国の航空管制技術官に準ずる航空分野専門の能力が求められています。
このため当社は、本業務の実施にあたり、第二級陸上無線技術士23名、第一級陸上無線技術士11名、第一級総合無線通信士14名(重複資格含む)の技術者を配置しています。
当社は、大阪空港、広島空港、高松空港の3空港に当社の技術者を派遣し、これらの空港が管理する場外の無線施設の保守も行っています。
また、大阪空港は、当エリアの拠点空港として、南紀白浜空港、但馬空港、石見空港及び四国の松山空港、高知空港の無線施設の保守を大阪から巡回方式により実施しています。
本業務では、常時2名の技術者が一組となって、相互の安全確認を行いつつ業務しています。
このように、当社が行っている航空無線施設の保守業務は、航空機の安全運航を直接支える極めて重要な業務です。

航空保安無線施設

航空機が安全に航行するためには、地上に設置された様々な無線施設の電波による支援が必要です。
地上管制機関の管制官と航空機のパイロット間で行われる音声通信、航空機の位置を監視するレーダー及び航空機に対し方位情報及び距離情報などの位置情報を与える無線標識施設など、用途別に電波を送受信する無線施設が全国に設置されています。特に、航空機が多くの航行する空港周辺には、多くの無線施設や航空灯火等の空港保安施設が航空機の安全な運行を支援しています。

1.A/G(対空通信施設)
1.A/G(対空通信施設)
パイロットと管制官が音声交信に使用する無線施設です。空港からの出発機や空港への到着機、又は地上にいる航空機など用途別に多くの電波が使用されます。
2.RAG(遠隔空港対空通信施設)
2.RAG(遠隔空港対空通信施設)
管制機関又は運航情報機関の設置されていない空港に設置され、当該空港を管轄する空港の運航情報機関から遠隔運用されるVHFの空港用対空通信施設です。
3.RCAG(遠隔対空通信施設)
3.RCAG(遠隔対空通信施設)
航空路管制機関(ACC)から遠隔制御されるVHF、UHFの航空路用対空通信施設です。これにより遠隔地の航空機と管制機関との直接交信が可能となります。
4.NDB(無指向性無線標識)
4.NDB(無指向性無線標識)
空港への航空機の進入・出発に使用したり、航空路上の航空機が方位の目印として使用する無線標識施設です。
5.VOR/DME(超短波全方位無線標識/距離情報提供装置)
5.VOR/DME(超短波全方位無線標識/距離情報提供装置)
航空機に方位情報を提供するVORと距離情報を与えるDMEが一緒に設置された無線標識施設です。空港や航空路の要所に設置され航空路を形成しています。
6.VORTAC
6.VORTAC
VOR/DMEと同様の機能を備えた軍用の施設で、DME部分は民間機が使用出来VORと併設した場合は、VORTAC(ボルタック)と呼ばれます。
7.ORSR(洋上航空路監視レーダー)
2つのレーダードームを備え、ARSR でまかなえきれない洋上空域の航空機を監視する長距離レーダーです。

着陸しようとする航空機に、正確な進入コースを示す無線着陸援助装置で、(8)ローカライザー、(9)グライドスロープ、マーカービーコン、(10)T-DMEなどで構成される。

8.LOC(ローカライザー)
8.LOC(ローカライザー)
ILSの一部で電波により最終進入中の航空機に滑走路の中心を示す装置です。
9.GS(グライドスロープ)
ILSの一部で電波により最終進入中の航空機に適切な進入角を示す装置です。 9.GS(グライドスロープ)、10.RCAG(遠隔対空通信施設)
10.T-DME(ターミナルDME)
ILSの一部で電波により最終進入中の航空機に着陸点までの距離を連続して示す装置です。
11.ASDE(空港面探知レーダー)
11.ASDE(空港面探知レーダー)
空港内の地上を監視するレーダーです。空港全体が表示され雨天時などでも誘導路やスポットにいる航空機や車両の移動状況などがわかります。
12.ASR/SSR(空港監視レーダー)
12.ASR/SSR(空港監視レーダー)
空港周辺空域の出発機や到着機を監視・誘導するレーダーです。旅客機などの大型機以外にヘリコプターなどの小型機も監視出来ます。
13.SSR(二次監視レーダー)
13.SSR(二次監視レーダー)
この装置から発する質問電波を受信すると、機上のATCトランスポンダーから各機固有の応答信号を発射し航空機の識別などに使用します。通常、ARSR又はASRと組み合わせて使用します。
14.ARSR/SSR(航空路監視レーダー)
14.ARSR/SSR(航空路監視レーダー)
上空を飛行する航空機を監視するレーダーです。航空機の誘導や間隔設定をするために使用され、半径約270km~460kmの覆域を持つ長距離レーダーです。

当社が保守する空港と航空保安無線施設

現在、我が国では、ほぼ全土を監視できるレーダー網が整備され、本土 の主要航空路は複数のレーダーで監視出来る体制に整備されています。
また、我が国の空港を離着陸する航空機はもちろん、我が国上空を通過する航空機など全ての航空機の監視が出来る航空ネットワークを整備しており、世界的に見ても優れたレベルに達しています。
当社は、下図に示す近畿、中国、四国エリアの空港とこのエリアの航空保安無線施設の保守を行っています。

・当社が保守する空港と主な無線施設の数
施設名称 施設数
空港 13
NDB 1
VOR/DME 18
VORTAC 4
DME(航空路) 2
ILS 11
ASR/SSR 6 ※1
APID 1
ARSR 1 ※2
ASDE 1
ATIS 6
AEIS 6
A/G 11
RAG 4
RCAG 4

※1:松山はSRRのみ、大阪2基設置

※2:三国山ARSRはSSRのみ

(1)VOR 装置の定期点検

(1)VOR 装置の定期点検
定期点検は各装置毎に年間計画により定められた周期で行われています。
点検作業は、必ず2 人1 組になり相互にダブルチェックを行いながら実施しています。

(2)屋外の作業も常に2人1組で実施しています。

(2)屋外の作業も常に2人1組で実施しています。

(3)ILSは、航空機に最終着陸指示をする電波を発射しているため専用の測定車両で空港内を走行して安全確認を行っています。

(3)ILSは、航空機に最終着陸指示をする電波を発射しているため専用の測定車両で空港内を走行して安全確認を行っています。